結婚式に参列する場合に必要になる『ご祝儀』。
そのご祝儀にも様々なマナーが存在します。
一つ間違えるだけで常識外れにあたり、新郎新婦・ご親族に大変な失礼をすることになります。
そんな間違いがないように、このページを参考にご祝儀のあれこれを学んでみてください。

お札は新札を使う

新札

結婚や出産等の祝いごと『慶事(ケイジ)』には必ず新札を用いるという風習があります。
銀行にいけば替えてもらえるので、予め用意しておきましょう。
挙式当日に「銀行休みだ!どうしよう。。」なんてことにならないように気を付けましょう!
本当にどうしようもない時はお札にアイロンをあてて間に合わせるのもアリです!

ご祝儀の金額の相場は?

微妙な間柄の時にいつも迷う「いくら包めば良いのか」という問題。
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会という公益法人が調査していますので、その結果をわかりやすくまとめたいと思います。

ご祝儀の世代別関係別最多回答額

世代と新郎新婦との関係のご祝儀の最多回答額

最多回答額から見える傾向

どの年代も親族を除けば『3万円というのが世間一般の相場』となることがわかります。
親族に関しても、一律5万というわけではなく、付き合いの深さで決めるのが通例のようです。

ご祝儀の世代別関係別平均額

世代と新郎新婦との関係のご祝儀の平均額

平均額から見える傾向

ここで興味深い事が、日頃慕ってくれている部下より日頃お世話になっている上司への平均額が上回っていることです。
目上や年上を敬う日本らしい結果ですね。

<参照>
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会
<調査年度>
平成19年

割り切れる金額は大丈夫なの?

縁起を重んじて、2で割れない奇数の金額が一般的と言われています。
ですが、最近では新郎新婦の後輩にあたる場合や年齢が若い場合には割り切れる数でも良いと言われています。

そのような場合は、1万円札を偶数枚入れるのではなく、1枚だけ1万円札を崩して5千円を2枚にして、お札の枚数を奇数にすると良いでしょう。

お札の枚数を奇数にする

ただし、「4」や「9」といった不幸を連想させる数字は控えましょう。
逆に「8」は割り切れてしまいますが、「末広がりの八」として好まれます。

補足

先にもらっている場合は、同額を返すことがマナーとなります。
ただし、上司と部下等上下関係の発生する関係には、当てはまらない場合もあります。

お札の入れ方について

お札の表側(肖像画がある方)が上に来るようにしてお札を入れます。

お札の入れ方

中袋の書き方について

ボールペンでの記入は避けましょう。
基本的に毛筆や筆ペンを使用して書くようにします。

中袋の書き方
表面の中央に漢数字で金額を、裏面の左下に住所と氏名を書きます。
金額の漢数字の書き方には注意が必要です。

漢字の書き方

祝儀袋の選び方について

祝儀袋のデザイン

包む金額によって、ご祝儀袋の装飾が変わりますので、正しい祝儀袋を選択しましょう。
また、最近では様々なデザインのご祝儀袋が発売されています。
勤め先の関係者や取引先の結婚式にはベーシックな白のデザインの祝儀袋を選ぶことをおすすめします。
逆に、友人等気心知れた間柄の人の場合には少し変わったデザインにするのも良いでしょう。

水引の結び方について

水引とは祝儀袋に付けられる飾り紐のことで、結び方により用途が使い分けされています。
結び方によって使用してはいけない行事が決まってきますので、注意して選んでください。

あわじ結び(あわび結び)

両端を持って引っ張るとさらに強く結ばれ、一度結んだらほどけない結び方で、「末永く付き合う」という意味を持ちます。
結婚ではこの結び切りの祝儀袋を使用します。

あわじ結び(あわび結び)

蝶結び(花結び)

何度でも結び直せるということで、「何度あっても良い」という意味を持ちます。
そのため、仏事事や結婚には使用しません。
出産祝い等に用いられます。

蝶結び(花結び)

結び切り

「繰り返さない」・「一度で終わる」という意味を持ちます。
結婚やお見舞い、仏事等に使用します。

結び切り

名前の書き方について

ご祝儀袋の表書きは「寿」または「壽」と印刷されているものが一般的です。
もし表書きがない場合は、「御結婚御祝」「祝御結婚」としても良いでしょう。
さらに下段中央には名前を書きます。ここでもボールペンは避け、毛筆や筆ペンを使用してください。

夫婦の場合は

夫婦連名の表書きは、まず夫の名前をフルネームで中央に書きます。
そして、その左側に妻の名前を書きます(妻は苗字は不要)。夫の名の位置にそろえて書きましょう。

夫婦の場合

連名の場合は

連名の場合は、贈り主の中で格上、年長の順に、右から左に並べて書きます。
同格の場合は、五十音順に右から左に並べて書きます。

連名の場合

包み方について

包み方にもマナーが存在します。
こちらも間違えると常識外れにあたりますので、注意して包みましょう。

上包み

結婚祝い等の慶事の場合は、「喜びを受け止める」という意味で下からの折り返しが上になるように重ねます。
逆に葬式等の弔事では、「悲しみは下向き」ということで下からの折り返しが下になるよう重ねます。

上包み

持ち運びについて

ご祝儀を裸で持ち歩き、受付でそのまま出す方がいらっしゃいますが、あまりスマートではありません。
ご祝儀袋を包むための袋があります。

袱紗に入れる

袱紗(ふくさ)と呼ばれる包みに入れて渡しましょう。
袱紗の色もTPOによって使い分ける必要があります。
暖色系の明るい色は慶事用、寒色系の沈んだ色は弔事用に使われます。
また、慶事は右開き(写真の開き方)・弔事は左開きになります。

注意して選びましょう。

袱紗

便利なもの

紫色は慶事・弔事、どちらにも使えるとされていますのでおすすめです!
また、最近ではリバーシブルの袱紗も売っており、時と場合によって折り返してどちらでも使えるものもあります。

袱紗の用途と色について

ご祝儀袋の渡し方について

STEP1. 受付の前で袱紗ごと出します。

STEP2. 袱紗からご祝儀袋を出し、相手から見て正面向きになるよう、向きを変えて渡します。

STEP3. 渡す時は、まず「本日は誠におめでとうございます。」と述べながら一礼をします。

STEP4. 「○○○○(名前)と申します。お招き頂きましてありがとうございます。」という言葉とともに両手で祝儀袋を差し出しましょう。

まとめ

書き方・袋の選び方・包み方・渡し方と様々なマナーがあることがわかりましたでしょうか?
受付で周りの方からも見られることですので、しっかりと間違いのないよう渡したいですね。

今一度、確認の意味も込めて読み直してみてください。
ポイントをまとめると以下になります。

  • お札には新札を使う
  • 親族以外は3万円が最も多い
  • お札の枚数が偶数になる場合は崩して奇数にする
  • お札は肖像画がある方が上にくるように
  • 中袋の漢字に注意して裏面には郵便番号まで
  • 祝儀袋のサイズは相応の袋を
  • 水引の結び方は『あわじ結び』
  • 連名の場合は名前の書き方に注意
  • 包み方は『上包み』に
  • 持ち運びは『袱紗』に入れてスマートに
  • 『袱紗』の色に注意する
  • 受け渡し時に一言添える

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